北海道文学散歩

北海道を中心に文学にまつわるエピソードや物語の舞台をめぐる。

Thursday, February 01, 2007

利尻島・氷雪の殺人

(内田康夫) 
33歳のフリーのルポライターにして、浅見家の居候浅見光彦は、刑事局長の兄・陽一郎を介して、北海道沖縄開発庁長官から、ある男の死の真相を極秘に調べてほしいと依頼を受ける。その男・富沢春之は、利尻富士の登山道で、凍死体となって発見された。警察は自殺と判断するが、現地へ赴いた浅見は、利尻で「プロメテウスの火矢は氷雪を溶かさない」という富沢が残した謎のメッセージを発見する。その後、死体発見現場で中田絵奈という女性に会った浅見は、富沢が密かに彼女に送った「氷雪の門」と手書きされたCDを託される――。 浅見兄弟の国に対する強い思い。そして、日本を愛し、日本を憂う著者が、日本人が失いかけている「覚悟」をテーマに描き、自衛隊と兵器の売り込む業者との水増しの不正や癒着を徹底的に暴き出します。現実もこれと同じ様な事件が摘発された事があって小説もほぼ同様に進行。手に汗を握ります。
 最北の地は創作意欲を駆り立てるのか、多くの作家が舞台に選んでいます。取材のために利尻島や稚内市を訪れた内田康夫は、稚内の料理店「車屋源氏」で、土地の名物「タコシャブ」に舌鼓を打ちました。北の海が育んだミズダコは、大きなものになると3mを超えるツワモノもいます。

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