北海道文学散歩

北海道を中心に文学にまつわるエピソードや物語の舞台をめぐる。

Monday, February 19, 2007

レプンクル

 書名 レプンクル   著者名 松宮 正幸   出版者 文芸社
 とても興味惹かれる1冊です。
石器時代~縄文時代~弥生時代というのが
太古の歴史の流れだと学んだ人は多いと思います。
ところが北海道は縄文~擦文時代へと移行しました。
擦文土器はヘラのようなもので擦った紋様が特徴です。
そんな北海道に住んだ人たちもそれぞれの文化によって
オホーツク文化人やアイヌといった人たちの歴史が刻まれています。
レプンクルとはアイヌ語で「沖の人」の意味です。
最北の島の名前「礼文島」はこの語が起源です。
レプンクルには、外国人あるいは異種人種といったニュアンスも
含まれているようです。
この本は、北海道西部の海岸線に住んでいた人たちの物語です。
ある春の日、主人公シャクマインは羆に襲われた美しい娘チキサニを救います。
ここから波乱万丈の運命の舞台が回りだします。
アイヌ民族の登場に先立つ先史時代の北海道に生きた擦文人とオホーツク人。
歴史から消えた人々の謎を北の大地に追った壮大な叙事詩です。
縄文時代は未開の時代といったこれまでの認識が覆されます。

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